(有)コズグロジャパンの会長で、コズグロスパの開発者である佐渡山氏は、かねてから「有害な化学物質による自然破壊をどうにか改善できないものか、個人が家庭で使う身近なもので環境にやさしいものを開発し、自然を守りたい」と思いを巡らしていました。
ある日、T大学のM工学博士が、たまたま無機質(ミネラル)の成分をビーカーに入れたまま食事に出かけ、戻って実験を再開しようとビーカーを洗ったところ、汚れがよく落ちるのを発見。これは洗剤になるのではと特許を申請したものの、洗浄性能の再現性が得られなかったため開発を断念した、という話を入手しました。
無機質成分で家庭用洗浄剤が作れたらすごいと思い、早速博士に連絡を取り開発を引き継ぎたいと申し出ました。
「無機物の組み合わせは無限にあり、恐らくモノにならないだろう。一年でできなければやめたほうがいい」
とM博士に言われながらも開発に着手。
文字通り何千回も実験を重ねていたある日。
沖縄本島の中部で温泉が出たと聞き、地主の方から成分表を見せてもらったところ、日頃実験で使っている成分が次々と目に飛び込んできました。
いままで実験で使った成分は、全て温泉に含まれている成分だったことが判明。
温泉は下流に流れても公害が発生しないし、温泉成分で洗剤ができたらいいなあ、温泉を目指すのがいいかもしれないと、温泉に含まれている成分のうち、洗浄力のあるものだけを選び出し濃度をいろいろ変えて開発を継続しました。
そしてついに、温泉に含まれている成分だけですごく洗浄力の高い洗浄剤の開発に成功したのです。
まさに特許が切れる2日前、M博士から開発を引き継いでからじつに7年の歳月が経過していました。
開発直後には工業用洗浄剤として採用。その後、かねてからの夢であった家庭用の洗浄剤、シャンプーや洗顔、台所用、洗濯用、ペット用が次々に誕生しました。
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